サル痘をビルゲイツが予言？その理由はなぜ？日本の感染者数は？

TRENDLABOのカオス(@trendlabo_jp)です！

今回は、突然欧米諸国を中心に流行しはじめたサル痘(※読み方は「さるとう」)について詳しく掘り下げていきます。

サル痘とは？現在の感染者数と特徴、死亡者数は？

サル痘は性感染症として感染者数が増加？死亡率は？

サル痘は、英語表記ではmonkeypoxと呼ばれ、リスなどのげっ歯類が保有するウイルス性の感染症です。

天然痘に似たウイルスで元々はアフリカ の一部の国で感染が確認されていたのですが、2022年の5月以降ヨーロッパやアメリカで発症が相次いでいることで、コロナに次ぐパンデミックとなることが懸念されているようです。

2022年5月中旬以降～6月中旬までの期間で、すでに36ヵ国で累計2000人以上の感染者が報告されたそうです。

今回のサル痘の感染者数が一番多い国はイギリスで、500人を超えています。(6/16時点)

次に、死亡者数と死亡率を見てみます。

もともと中央アフリカで発生していた種類のサル痘ウイルスは毒性が強いため致死率も高く、コンゴ民主共和国やナイジェリアなどでは死亡者がいるようです。
例えば今後では、今年～5月にかけての感染者数は1284名で、死亡者数が58名のため、死亡率は4％となる計算です。

しかし、先進国で感染が認められたウイルスの病原性はそんなに強くない種類のウイルスらしく、現時点で、欧米諸国での死亡者はまだいません。

また、今回のサル痘は「性感染症」の可能性もあり、これまで非エンデミック国(※)であった欧米で報告された症例のほとんどは男性同士の性交渉をされた方が患者となっているようです。

(※エンデミック国とは、これまで一定の地域や一定の季節で、繰り返し感染が認められている国(風土病の国)のことを指します)

サル痘の症状や完治までの期間は？

サル痘に感染した時の症状ですが、潜伏期間は比較的長く、1週間から2週間ほど
その後に発熱や頭痛が五日間ほど続いた後、発疹が出て水ぶくれ→膿となります。

発症からだいたい2週間～4週間で発疹かさぶたとなり、治るケースが多いようです。

サル痘はバイオテロ？ビルゲイツが予言したと言われた理由はなぜ？

SNSなどでは「ビルゲイツが今回のサル痘の流行を以前から予測していた」、陰謀論的には「サル痘はバイオテロ計画のシナリオとして人工的に発生させられている」と噂されています。

これは真実なのでしょうか？
また、なぜ、このように言われているのでしょうか？

調べてみたところ、ビルゲイツはサル痘の流行に関しての予言をしておらず、誤解であることが判明しました。

ただそのように解釈されてもおかしくはない理由があります。

ビルゲイツはサル痘ではなく天然痘の攻撃を警告？

2021年11月、英国の健康選択委員会の委員長であるジェレミーハントとのポリシーエクスチェンジインタビューで、ビルゲイツは「研究開発に数十億ドルを投資することにより、天然痘のテロ攻撃と将来のパンデミックに備える」ように政府に警告しました。

ビルゲイツは「生殖ゲーム」は、空港への天然痘攻撃などのバイオテロに備えることができると示唆しています。

彼はまた、バイオテロによって引き起こされたエピデミックは、自然に発生するエピデミックよりも悪化する可能性があると警告しています。

ただし、これは単なるバイオテロへの対策の呼びかけであり、ビルゲイツは天然痘が起こる、などと予言したような内容ではありません。

「次のパンデミックに備えるためにやらなければならないことは、ワクチンを安くする、大きな工場を持つ、インフルエンザを根絶する、風邪を治す、ワクチンをほんの少しのパッチにするなどです。パンデミックがない年でも信じられないほど有益なものになるでしょう」とビルゲイツは語っています。

一見タイムリーな発言にも見えますが、ビルゲイツはコロナが流行る前からずっと、天然痘攻撃に関連する他の声明を出していたそうです。

2017年初めのインタビューでも「生物学の進歩により、テロリストが天然痘を再現するのがはるかに容易になった」という発言をしています。

またビルゲイツ以外にも同様の研究や論文は多々あり、これらの発言が「ビルゲイツが予言した」「ビルゲイツが計画した」というのは誤解のようです。

NTIとミュンヘン安全保障会議のバイオテロシュミレーションのシナリオが一致？！

もう一つ、これが予言と言われた理由に、Nuclear Threat Initiative（NTI）とミュンヘン安全保障会議（MSC）によるバイオテロの脅威準備演習のシュミレーションのシナリオが挙げられます。

NTIとは、核および生物学的脅威の軽減と防止に取り組んでいる非営利団体で、MSCと合わせてビル＆メリンダ財団が470万ドル（日本円で5億円以上）の資金援助をしたことで話題となりました。

この団体が、2021年11月に発行した今後のバイオテロに備えたシュミレーションの論文の仮説で、サル痘が使われており、あまりにも今の状況と一致している！ということで話題となっています。

原本はこちらの資料です。

その内容として注目すべき部分としては、

が挙げられます。

確かに、偶然とは思えないほどの内容ですね！

ちなみにこの後のシナリオがどうなったか気になりますよね？

その後のシナリオでは、
ウイルスは30億を超える症例を引き起こし、世界で2億7000万人が死亡しています。
これは、NTIシナリオの数値ごとに9％の死亡率になります。

もちろん、これは予言ではなくあくまでも「架空」の話。
実際にこのシナリオ通りに話が進みますという意味ではありません。
また、このようなシュミレーションに関しては他にも沢山されています。

NTIの副社長で生物物理学の医師であるJaimeYassifは、バイオテロの仮説話としてサル痘が例に挙げやすかっただけで、たまたま一致していただけだと予言について否定しています。

サル痘の日本感染者数とワクチン、パンデミックの可能性は？

日本国内では、感染調査が始まった2003年以来、一度もサル痘の感染は報告はされていません。

その理由は、かつて天然痘のワクチン接種が積極的に行われていた背景があり、その効果がサル痘の予防にも有効である可能性があるようです。

現在45歳以上の方は幼少期に天然痘ワクチンを接種していて免疫がついている可能性が高く、サル痘でも重症化のリスクは45歳以降の若年層の人の方が大きいようです。

ただし、サル痘単独でのワクチンは現在はまだ存在せず、特効薬のような治療薬もないようです。
最近の感染の流れを受け、サル痘に特化したワクチンの開発もスタートしています。

ただし、日本ではパンデミックになる可能性は低いと言われており、実際はそんなに怖い病気でもないので、現段階で恐れる必要はないかと思われます。

サル痘とコロナワクチンの因果関係、日本のネットの反応は？

TwitterなどのSNSでは、
「コロナの次はサル痘でワクチンを打たせるシナリオか」「コロナで余ったワクチンがサル痘で使い回される」「コロナワクチンの副反応をサル痘でごまかすつもりだ」などと、政府の方針やメディアの煽りに対し、冷ややかで批判的な意見が多いように見受けられます。

また、コロナワクチンの副反応や後遺症で免疫が落ちたときに出る症状や単なる帯状疱疹を「サル痘」と呼んでいるのでは？などの疑念の声もあります。

確かに、コロナのワクチンを打ったばかりの身体は免疫が低下している状態です。

そんな状態の身体に、さらに天然痘ワクチンや今後開発される可能性のあるサル痘ワクチンの接種を受けるのは身体に大きな負担があり、ワクチン漬けとなるリスクを懸念される方が多いのかもしれません。

まとめ

今回は今メディアでよく話題とされているサル痘について解説いたしました。
これから、様々な情報やデマも出回ると思います。
一つの情報だけに振り回されず、幅広く情報を知る必要がありそうです。